高齢者のためのリフォーム バリアフリーを考えるポイント!
お風呂のバリアフリーリフォームといっても様々。ご本人だけでなく、ご家族全体で考えたい題材ですね。お風呂は滑りやすく、段差も多い場所になりますので、年齢を重ねるとともに当時感じていなかった不具合を感じることも多いでしょう。ここではバリアフリーを考える代表的なポイントを挙げ解説していきます。
バリアフリーを考えるポイント6つ
<ポイント①>浴室の断熱
お風呂が寒いと怖いのが「ヒートショック」。ヒートショックは急激な温度変化により、血圧が急上昇急降下を繰り返すことで、心筋梗塞などの重大な発作を引き起こす現象です。暖かい室内と、寒いお風呂、暖かい浴槽という温度差がこの現象を引き起こすため、「寒いお風呂」を暖かくすることで、ヒートショックを抑えてくれる効果があるといえます。
<ポイント②>浴室の空調設備
こちらもヒートショック防止のための必要な設備といえます。浴室の断熱と併せて設置したい設備になります。
<ポイント③>段差の解消
浴室の出入り口に段差がある場合、フラットにして転倒防止を行った方が良いでしょう。引き戸の場合レールを埋め込みにすることも可能ですので、併せて検討してみてください。
<ポイント④>手すりの設置
バリアフリーと聞いて、一番お手軽ですぐに思いつく転倒防止策といえます。但し、手すりの設置は浴室全体の空間が狭くなってしまう恐れがあるため、設置する場所は利用する方の動線に合わせて効果的な場所を吟味し、設置場所が多くなりすぎないように気を付けましょう。
<ポイント⑤>引き戸又は折れ戸への変更
転倒防止用の手すりなどを設置すると浴室自体が狭くなってしまいます。そこで開き戸の方は、引き戸又は折れ戸への変更を検討してみてはいかがでしょうか。開き戸は脱衣所に水滴を落とさないために、浴室内に開き場合がほとんどで、浴室を狭く感じさせている恐れがあります。開き戸は気密性が高いですが、現在では引き戸や折れ戸でも気密性が向上しているため変更してもほとんど問題は発生しません。
<ポイント⑥>床の張替
古い浴室の場合は、光沢のあるタイルを使用している場合もあります。滑りにくい素材や水はけのよい構造、吸水性に優れた床に変更すると転倒リスクが軽減されます。
介護保険を利用したリフォーム
浴室のバリアフリーリフォームは、大規模であれば100万円以上、小~中規模でも50万円程度の費用が掛かります。そのため、補助金制度は是非活用したいところです。基本的には要介護者や要支援者が同居する世帯が対象で、最大20万円(うち1~3割自己負担)が補助金額になります。
札幌市の介護保険(要支援1、要支援2、要介護1~要介護5の方が利用可能)
給付要件
- 要介護(要支援)認定を受けている方が居住する住宅(=住民票のある住所地)であること
- 改修内容が支給対象となる内容であること
対象となる改修
手すりの取り付け、段差の解消、滑り防止等の床材変更、扉の取替え、便器の取替え
※ビス止めや接着剤等で止めるなど、取り外しができない固定したものに限る
利用限度額
- 居住する住宅に対して1人あたり20万円
- 20万円を超えた額については全額自己負担
(1割は自己負担となるため、給付額は最高18万円まで。一定以上所得がある方は利用者負担額が2割または3割となるため、2割となる方の給付額は最高16万円、3割となる方の給付額は最高14万円まで。)
まとめ
バリアフリー工事は高齢者にとって非常に有意義になるといえます。介護に伴うリフォームであれば介護者も被介護者もそれぞれの負担が軽減されるという事にもなりますので、各自治体の補助金を活用しながら検討してみてはいかがでしょうか。今年(2024年現在)に限っては、国の「住宅省エネ2024キャンペーン」にて補助される対象工事もありますので、気になる方はお気軽にご相談ください。